良くも悪くも、運命の強すぎる人。本人が巻き込まれているのか、本人の意思を越えた彼の何らかの「器」が周りを巻き込んでいるのか・・・。後者なんじゃないかと思ってアリババを見つめています。「いい奴」ではあっても、決して「いい子」ではない。第三者の感じるところ、それも本当のアリババですが、本人にとっては、近いけどまたちょっと違うんだろうなぁと。漠然と、計り知れないほどの強さと柔軟さが伺えます。心の。
またアリババの事は、はっきり天使だとは思っていません。また悪魔だとも。そういった括りでは、彼を捉えることが出来ないからです。多くのキャラクターが種族を超えていますが、その中でもアリババは多くの種を経験します。まるで、彼を最終的にある高次元に据える為に、あらゆる務めを与え、その全てへ分け隔てない眼差しを送るような、しかしながら名の無い“世界”そのものたる存在となるよう、仕向けられているのではないかと感じるほどです。なんらかの大きな意思によって。 それを思ったとき、幾度とある、アリババがそれまで生きてきた元の世界から消失する出来事は、不幸なことだと、哀れなことだとは思わないようになりました。そんな、彼を小さく捉える感情に、違和感があった。もちろん、歴史的に冷ややかに見つめることなく、彼の息衝く場面を近くで伺おうとすれば、こっちの身がやられるくらいに厳しいことも多々あります。でも彼は自分で一生懸命生きていて、喜び、楽しさ、悔しさ、絶望、悲しみ、愛情、憎悪、欲望...想像しきれないほどたくさんの、それぞれの状態での全ての心を抱いて、務めを終えられ昇華したのだと思います。彼を見守ってやきもきしたり苦しさを覚えても、彼は進んで行く。余計な心配など彼に失礼かもしれない。 明るい方面は楽しいものです。が、反対側は難しい……自滅。明るい時はノリが良くて気のいいアホで……いやそこまで開き直ってるのは聖Iになってからのイメージ設定ですが(笑)そういうキャラにしてしまってゴメン!描き易い…(笑)でも一旦ダークサイドに沈み込めば…非常につらい。難しい。因子が混ざってからのアリババをイメージするとき、いっそ、悪魔や神々諸々の思想を生み出してきた『人間』的に扱うとやりやすい気がしています。超フリーダム。私の思うアリババの二面性は「裏表」でなく「昼夜」のような感じ、と言えば近いかもしれません。あと、彼はシリアスなほど出来る限り涙を描きたくないことに気付きました。ピーターと逆(笑)。振り返ればギャグのアリババ涙オチは申し訳ないほど多いですが(苦笑) 神帝は、みんなある程度バランスの取れた人格に辿り着くのは概ね18弾であればと思っています。 <同人誌「豊∞〜アジアンリミテッド〜」より> |